中学で習う基本の英文法から今回は「代名詞」について、例文や表で復習していきたいと思います。
中学1年で習う初歩の英文法項目なので、意識しなくてもすでに使い方がわかっているかもしれません。
しかし、あらためてもう一度見直してみると、さらに代名詞についての理解が深まるはずです。
英語の代名詞ってこんな仕組みだったんだという感じで、ぜひ中学で習ったことを思い出してみてください。
では、早速いってみましょう!
英語の代名詞とは?
「代名詞」とは、その名のとおり名詞の代わりをする言葉のことです。
- わたし
- あなた
- 彼
- 彼女
- それ
など、個別の名前をいちいち言わなくてもいいときに使います。
同じ名前をくり返すのがめんどくさいときなんかに、よく使いますね。
日本語でも、自然と代名詞が口に出てくることは多いと思います。
代名詞は、文の中での役割によって「4種類」の変化に分けることができます。
- 「~は」の形(主格)
- 「~の」の形(所有格)
- 「~に、~を」などの形(目的格)
- 「~のもの」の形(所有代名詞)
の、4つです。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
1.「~は」の形(主格)
まずは、「~は」と言うときの形です。
- わたしは…
- あなたは…
など、文の主語になるパターンですね。
文法用語ではこれを「主格」と言います。
主格の例文を見てみましょう。
I run.
「わたしは走ります」
You don’t watch a movie.
「あなたは映画を見ません」
He sleeps in the morning.
「彼は朝に寝ます」
このように、主語の役割を果たしてくれるものが、「主格」の代名詞です。
2.「~の」の形(所有格)
つづいて、「~の」と言うときの形です。
- わたしの○○
- あなたの○○
など、名詞の前について、その人のものであること(所有)を表します。
文法用語ではこれを「所有格」と言います。
所有格は、以下のように名詞の前に置いて使います。
- my car(わたしの車)
- her book(彼女の本)
例文も見てみましょう。
My bike is new.
「わたしの自転車は新しい」
Robert’s father is your uncle.
「ロバートのお父さんはあなたのおじさんにあたるね」
このように、所有を表す役割を果たしてくれるものが、「所有格」の代名詞です。
3.「~に、~を」などの形(目的格)
つづいて、「~に、~を」などと言うときの形です。
- あなたに…する
- それを…する
- 彼と…する
など、文の中で動詞の目的語になるパターンです。
文法用語ではこれを「目的格」と言います。
基本は目的語になるものですが、前置詞のあとに来るときや、一言だけのフレーズを言うときにも使います。
なので、主格と所有格に当てはまらないときに使える万能な形と覚えておくと、わかりやすくなるはずです。
目的格の例文を見てみましょう。
I love you.
「わたしはあなたを愛している」
You need me.
「あなたはわたしが必要だ(わたしを必要としている)」
I study it with her.
「わたしはそれを彼女と勉強する」
Lucky me!
「ラッキー!(ついてるわたし!)」
このように、目的語の役割などを果たしてくれるものが、「目的格」の代名詞です。
4.「~のもの」の形(所有代名詞)
最後に、「~のもの」と言うときの形です。
- わたしのもの
- あなたのもの
など、名詞までひっくるめて一単語で所有を表せる形です。
文法用語ではこれを「所有代名詞」と言います。
「所有格+名詞」を、ひとつの単語にしたものですね。
たとえば、
- That pen is my pen.(あのペンはわたしのペンです)
と言うと、「pen」が2回出てきて、ちょっとくどい感じがします。
英語ではこういった同じ言葉の繰り返しを嫌うので、「所有格+名詞」になっている「my pen」の部分を所有代名詞に変えてしまいます。
- That pen is mine.(あのペンはわたしのものです)
といった感じですね。
ほかにも、所有代名詞の例文を見てみましょう。
That’s mine.
「それはわたしのです(わたしのものです)」
Is this yours?
「これはあなたのですか?(あなたのものですか?)」
Now this house is hers.
「今やこの家は彼女のものだ」
このように、「所有格+名詞」の部分を、ひとつの単語で言い換えてくれるものが、「所有代名詞」です。
英語の代名詞変化表
では、代名詞の変化を表で見てみましょう。
単数形と複数形で分けています。
~は (主格) | ~の (所有格) | ~を・~に (目的格) | ~のもの (所有代名詞) | |
わたし | I | my | me | mine |
あなた | you | your | you | yours |
彼 | he | his | him | his |
彼女 | she | her | her | hers |
それ | it | its | it | — |
名前 | Tom | Tom’s | Tom | Tom’s |
~は (主格) | ~の (所有格) | ~を・~に (目的格) | ~のもの (所有代名詞) | |
わたしたち | we | our | us | ours |
あなたたち | you | your | you | yours |
彼ら 彼女ら それら | they | their | them | theirs |
名前 | Tom and Jerry | Tom and Jerry’s | Tom and Jerry | Tom and Jerry’s |
これはもう覚えるしかないですね(笑)
覚え方のコツは「I」から順番に、リズムよく歌うようにして読んでいくのがおすすめです。
「アイ、マイ、ミー、マイン♪ユー、ユア、ユー、ユアーズ♪ヒー、ヒズ、ヒム、ヒズ♪シー、ハー、ハー、ハーズ♪」といった具合です。
ちなみに僕が子どものころ、何かの番組で志村けんがこれをネタにして歌っていたのを親が教えてくれました。
それをちっちゃいながらにマネして歌っていたおかげで、中学の授業で習うよりもずっと前から、なんのことかもわからず覚えることができました(笑)
リズムにのせて口ずさむことの威力は絶大です!
性別がノンバイナリー(non-binary)の場合は、代名詞は「they」を使います。ノンバイナリーとは、男性や女性といった二択の性別を当てはめない性のあり方です。男性・女性の枠組みで考えないので、代名詞も「he」や「she」で分けることがありません。
英語の代名詞は「が」「の」「に」の直訳に注意
代名詞の使い方で注意することは、「日本語の直訳だと意味が変わってしまうことがある」ということです。
「…が」「…の」「…に」など、日本語の直訳に合わせて覚えているだけだと、英語の本当の意味を取り違えてしまうことがあります。
たとえば、
- 「彼女が好きだ」(彼女のことが好きだ)
という文。
この文を、そのまま代名詞の表に沿って訳すとします。
すると、「彼女が」なので「she」。
だから
- She likes.
となってしまいます。
ですが、実際の会話の流れでは
- 「わたしが 彼女を 好き」
という意味ですので、
- I like her.
となります。
「彼女が好き」と言っているのは、あくまで「わたし」ですよね。
日本語はこのように、「…が」や「…の」が、必ずしも同じ意味であるとは限りません。
なので、日本語が「…が」だから主格を使うとか、「…の」だから所有格を使うとか、そういう直訳のような覚え方は避けておきましょう。
あくまで、その言葉が持つ意味を考えて、使い分けていくようにしてください。
これは代名詞に限ったことではなく、英語というか、むしろ言語全体に言えることでもあります。ただ直訳するのではなく、言葉が何を伝えようとしているのかを探るようにすれば、だんだんとネイティブに近い言葉づかいができるようになってきますよ!
ちなみに、
- 「彼女が好きだ」(それは彼女の好きなものだ)
という意味で使う場合は、
- She likes it.
となりますね。
- 「彼女が それを 好きだ」
という言い方をします。
よって、目的格の「it」が必要になるわけです。
このように、主語、動詞、目的語をハッキリさせていくのが、英語の文ではとても大切です。
代名詞はリーディングの大きなヒントになる
何気なく使っている代名詞ですが、英文のリーディングの際には、代名詞を意識するとすごく読みやすくなります!
代名詞を考えて読むことで、英文の読解力がぐんと上がり、読むスピードも格段に速くなります。
代名詞というのは、基本的に先に出てきた言葉を言い換える言葉です。
つまり、いきなり代名詞だけぽーんと登場することは基本的にありません。
必ず、代名詞の前に来る言葉を言い換えています。
なので、「その代名詞が何を指すか」を意識して英文を読むと、英文の理解が早くなるわけです。
ちなみに、代名詞が指す言葉が代名詞の直前にあるとは限りません!
文脈を読み取って、代名詞がどの単語の言い換えになっているのか考えるのが、大事なポイントになってきます。
「I」や「you」などは、言い換えるというよりはそもそもそれだけで誰のことを指しているかがわかるので、前に来る言葉がなくてもおかしくありません。あと、小説なんかであえて名前を伏せる場合も、代名詞が指す単語がわからない場合もあります。
さらに、「それ」という意味で使わない「it」なども、前に指す言葉がなくいきなり登場します。「It’s interesting to study English.」(英語を勉強するのはおもしろい)のような文ですね。このときの「it」は、そもそも代名詞とはまた違う役割なので注意してください。
逆に言えば、英文ライティングの際に代名詞を使うのであれば、それに先立つ単語が必要です。
最初に使った単語を繰り返す際には、そのあとに適切な代名詞を置いて、繰り返しを避けるようにしていきましょう。
このとき、前に来る単語と代名詞とが、きちんと対応できているかどうかもチェックしてみてくださいね!
代名詞を英語で言うと?
最後に、「代名詞」を英語で言うとどうなるのかもチェックしておきましょう。
代名詞は、英語にすると「pronoun」となります。
名詞を表す単語「noun」に、接頭辞「pro」がついた形ですね。
- 代名詞:pronoun
- 名詞:noun
Pronouns are used instead of nouns in a sentence.
「代名詞は、文中で名詞の代わりに使われます」
文法用語も英語で覚えておくと、ネイティブに英語で文法の質問ができたり、「この文法が難しくて……」みたいな会話をすることもできます。
せっかくなので、文法用語の英単語も覚えてみてくださいね!
まとめ
今回は中学英語で習う「代名詞」の復習でした。
まずは変化の表を覚えるのが基本ですが、慣れてくれば何も考えなくてもどれを使えばいいかわかるようになります。
ただ単に、「…が」や「…の」で覚えるのではなく、どういう意味を持つのか、そしてその代名詞が何を指しているのかを考えられると、英語力アップにつながりますね。
いろいろな例文に触れて、ぜひ声にたくさん出してみてください!