一般動詞の「3単現のs」について解説していきます。
3単現とは、3人称単数現在形のことを指します。
一般動詞が3単現の条件に当てはまっているとき、動詞の形を変えていかなくてはなりません。
その活用を、ここでは紹介していきます。
では、早速いってみましょう!
3人称単数現在形とは?
「3人称単数現在形」という言葉が意味しているのは、一般動詞における活用(変化)の形です。
これを省略して、「3単現」と呼びます。
「3単元」じゃないのでご注意ください。
(学習塾で教えているとき、よく書き間違えました……)
「3単現」 、つまり 「3人称単数現在形」 が表すものは、一般動詞のなかで
- 3人称であり
- 単数であり
- 現在形のもの
です。
そのまんまですね(笑)
かみ砕いて言うと、
- 主語が自分と相手以外で
- 1人もしくは1つのときで
- 現在形のもの
というイメージで考えてもらうと、わかりやすいかと思います。
順番に見ていきます。
まず、「主語が自分と相手以外」っていうのをもっと細かく言うと、主語が「I」と「You」、そして自分たちを指す「We」以外のものです。
まずはそれで考えてみてください。
「I」と「You」と「We」以外の単語、つまり世の中のほとんどの単語は3人称になります。
次に、3人称となる単語の中で、「単数」であるものが第二の条件ですね。
「単数」というのは、数えられる名詞で1つや1人のものを指します。
- He(彼)
- She(彼女)
- It(それ)
- An apple(ひとつのりんご)
- Japan(日本)
などなど、幅広い範囲で1つや1人の主語を考えます。
以下のものは複数になるので、単数からは外れます。
- We(わたしたち)
- They(彼ら、彼女ら、それら)
- He and I(彼とわたし)
- Pens(ペンの複数形)
「Pens」 のように、ものの名前の後ろに「s」がついていたら、基本は複数形となります。
3単現の条件からは除外してください。
そして最後に、「現在形」の文かどうかを確認します。
つまり、ふだんの習慣を表すような文のときに、3単現の条件が当てはまります。
「昨日」とか、「来週」とか、過去や未来を表す文だった場合は、3単現は無視してください。
これらの条件「3人称」「単数」「現在形」がそろったら、動詞に「s」をつけていきます。
一般動詞が3単現なら「s」をつける
3単現の文を見つけたら、その文のメインの一般動詞の後ろに「s」を加えてください。
つまり、
- 主語が3人称になっていて、
- それが単数であり、
- なおかつ現在形の文であったら、
- 一般動詞に「s」をつける
これがいわゆる、3単現の「s」というやつです。
ちょっと例を見てみましょう。
He plays soccer.
「彼はサッカーをします」
She likes a cat.
「彼女は猫が好きです」
It rains.
「雨が降ります」
それぞれの動詞の後ろに「s」がついています。
中学ではおそらく、
- 主語が「He」と「She」だったら、動詞に「s」つける
と覚えた人も多いのではないでしょうか?
しかしもちろん、この2つだけ考えればいいわけではありません。
もうひとつよく出てくる「It」も忘れないであげてください!
「It」(それ)も、「I」「You」以外で、ひとつのものですからね。
あとは人の名前とか、固有名詞が出てきたときなんかも、「3単現のs」をよく使います。
Mr. Smith eats natto.
「スミスさんは納豆を食べます」
Katie loves her husband.
「ケイティは旦那さんを愛しています」
Toyota Prius runs over 30 kilometers per liter.
「トヨタのプリウスは、1リットル当たり30キロ以上走る」
名前を主語にした文のときは、基本は「s」をつけることを頭にインプットしておくといいかもしれません。
ちなみに、英語の話をしていて、シンプルに「3単現」と言われたら、たいていの場合この「s」をつけるルールのことだと思っておいてください。
3単現の疑問文と否定文
さて、3単現の場合は疑問文と否定文の作り方も変わります。
ふつうの現在形のときは、「do」がキーワードになります。
- Do you ~?
- I don’t ~.
このようにするのが基本でしたね。
3単現の場合は、この「do」という単語にも「s」がついてしまいます。
そうして生まれたのが
- 「does」
です。
dos ではなく、「does」です。
3単現の疑問文と否定文は、この「does」を使って、作っていきます。
そしてもうひとつ重要なことがあります。
それは、「s」をつけた動詞を、原形(動詞の元の形)に戻すという作業が必要になることです。
「does」に「s」がついているので、動詞についていた「s」はもういらないということですね。
あとは、ふつうの現在形のときと同じです。
では、先ほど見た3単現の例文を疑問文にしてみます。
Does he play soccer?
「彼はサッカーをしますか?」
Does she like a cat?
「彼女は猫が好きですか?」
Does it rain?
「雨が降りますか?」
答えるときも、基本は「does」を使います。
Yes, he does. / No, he doesn’t.
次に、否定文にした例文です。
He doesn’t play soccer.
「彼はサッカーをしません」
She doesn’t like a cat.
「彼女は猫が好きではありません」
It doesn’t rain.
「雨は降りません」
こんな感じですね。
ちなみに、「doesn’t」は「does not」の省略です。
3単現の「s」の不規則なパターン
動詞によっては、3単現の「s」が不規則についてくるパターンがあります。
基本的には、
- 単語の最後が「y」で終わり、その直前が子音のとき
- 単語の最後が「ss」「sh」「ch」「x」「o」で終わるとき
- 完全に不規則なもの
の、2パターンに分かれます。
単語の最後が「y」で終わり、その直前が子音のとき
一般動詞となる単語の最後が「y」で終わっていて、その直前に子音がある場合は、「y」を「i」に変えて「es」を付けます。
「yをiに変えてes」、もしくは全部ひっくるめて「yをiesに変える」などと、口癖のように覚えておくといいと思います。
- study → studies
- try → tries
などなど。
「y」の前が母音の場合は、そのまま「s」をつけてOKです。
- stay → stays
- play → plays
などなど。
母音は、発音の音が[a]、[i]、[u]、[e]、[o]になるものです。
そして、子音はそれ以外のものすべての音を指します。
単語の最後が「ss」「sh」「ch」「x」「o」で終わるとき
一般動詞となる単語の最後が「ss」「sh」「ch」「x」「o」で終わっていたら、「es」を付けます。
発音のルール的に、「s」だけだと言いづらくなるからです。
- watch → watches
- go → goes
などなど。
完全に不規則なもの
「s」付けのルールが独特なものも多くあります。
そういった完全に不規則なものは、パターンがないのでそのまま丸暗記することになります。
新しい単語のひとつとして、覚えておくといいと思います。
- have → has
などなど
3単現の「s」は会話でこだわりすぎず、書くときに気をつける
3単現の「s」は、中1で習う基本の文法ですが、けっこう厄介なので忘れがちですよね。
正直、ネイティブでもたまに無視してしゃべる人がけっこういます(実際、何人も会ったことがあります)。
なので、英会話をする分には、3単現は慣れるまで気にしすぎなくても大丈夫です。
もちろん、きちんと3単現まで意識してきれいにしゃべるのがベストですが、こだわりすぎて伝えたいことが伝わらなかったり、言葉につまってしまったりしては意味がありません。
「He study … あ、sついてない……えっと、He studys … あ、studyはiesか……いや、しゃべってんだから関係ないか、えっと、He studies English.」ってな具合に頭がごちゃごちゃなってしまうよりは、気にせず「He study English.」と言い切ってしまったほうが、会話がスムーズになります。
正直、「s」が付いたって付かなくたって、意味は通じちゃいますよね(笑)
なので、会話のときは固執しすぎず、少しずつナチュラルにできるようにしていってください。
だんだんと、自信をもって言えるようにしていければOKです。
逆に書くときには、3単現の「s」は気をつけなければなりません。
英文をしっかり書くことがある場合には、思いっきり意識してください!
友達どうしのチャットなんかだったら大丈夫ですが、ビジネスのメールやテストのライティングなど、しっかりした文章を書くときは大事な文法になってきます。
英文を書くときは、3単現はぜひともこだわってください。
英語がそこそこ得意になってきても、意識していないと簡単に忘れる部分ですので、常に気にかけておくといいと思います。
まとめ
今回は一般動詞の「3単現」(3人称単数現在形)を復習しました。
とってもめんどくさいルールですが、意識していればだんだん自然と口にできるようにもなります。
- He plays …
- She has …
など、決まり文句のように、まずは音読していくと慣れるのも早いと思います!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。