「服を着る」「靴を履く」などと言うときの英語について解説します。
「着る」や「履く」などの身につける系の言葉は、英語だと「wear」や「put on」などを使うことができます。
が、これらの表現には微妙なニュアンスの違いがあり、使い分けに迷ってしまうかもしれません。
今回の記事では、「wear」や「put on」の細かい違いや使い方について、じっくりお伝えしたいと思います!
「wear」と「put on」の違い
「着る」「履く」などに用いる主な英語表現は、
- wear
- put on
の2つがあります。
基本的に、何かを身に付けるのであれば、この2つの言葉で表せます。
- 服を着る
- 靴を履く
- アクセサリーを付ける
- 眼鏡をかける
- メイクをする
などなど、肌とモノが触れ合うときに使える表現たちです。
日本語みたいに、「着る」「履く」「付ける」などと分けなくていいので、ラクっちゃラクですね(笑)
では、2つの表現にどんな違いがあるのか?
これらの使い分けは、以下の通りです。
- wear = 着ている(状態)
- put on = 着る(動作)
例文とともに、詳しく見てみましょう!
wearの使い方
「wear」は「着ている」という状態を表すもの。
すでに着用済のものだったり、普段からどんな服を着るのかといった習慣を言うときに使います。
I wear a T-shirt every day.
「俺は毎日Tシャツ着てるよ」
He wears Nike shoes.
「彼はナイキの靴を履いています」
(ふだんからナイキを愛用している)
That woman who is wearing glasses is my sister.
「眼鏡をかけているあの女性は私の姉です」
(眼鏡をかけている状態)
- 普段どんなものを身に付けているか聞きたいとき
- 今どんなファッションをしているのかを言いたいとき
- そもそもアクセサリーは身に付けるか、メイクはするかなど、生活習慣的なものを説明するとき
といった場合に使えますね。
put onの使い方
「put on」は「着る」動作を表すもの。
着替えるという動作、身に付ける動作を表します。
I will put on a T-shirt.
「Tシャツを着ます」
(まだ着ていない状態から、着用する)
He is putting on NIke shoes.
「彼はナイキの靴を履いています」
(今、履いている最中)
That woman who is putting on glasses is my sister.
「眼鏡をかけているあの女性は私の姉です」
(今、かけている最中)
- 身に付けている最中
- 身に付けていない状態から、身に付けようとするとき
などに使えます。
「wear」と「put on」の過去形「着た」
では、「wear」と「put on」を過去形にして見てみましょう。
単語の変化形はそれぞれ、
- wear – wore – worn
- put – put – put
となります。
「put」は、過去形も過去分詞も形が変わらないので便利(?)ですね。
では、以下の2つの例文を見比べてみてください。
- I wore a T-shirt yesterday.
「私は昨日Tシャツを着た」 - I put on a T-shirt yesterday.
「私は昨日Tシャツを着た」
日本語にすると同じ言葉になってしまいますが、ニュアンスが少し違います。
1の「wore」を使った場合は、昨日着ていた服はTシャツだったという意味。
2の「put on」を使うと、Tシャツに着替えた瞬間の動作そのものを表します。
なので、2のほうは、現実的にあまり言う場面は少ないと思います。
「昨日、Tシャツに着替えたよ!」と、あまり服を着た瞬間のことを会話にすることはなさそうですね(;’∀’)
過去のことを言う場面では、「進行形」にして言うこともよくあります。
- I was wearing a T-shirt yesterday.
「私は昨日Tシャツを着ていた」 - I was putting on a T-shirt when she called me.
「彼女が電話してきたとき、私はTシャツを着ている(Tシャツに着替えている)最中だった」
「put on」を過去の進行形にするときには、上の例文のように、どの瞬間のことだったのかを具体的に示すといいですね!
「着て」とお願いしたいときは?
命令文(お願いの文)にしたいときは、どちらかというと「put on」を使うほうがスムーズです。
たとえば、「明日はあの青いジャケット着てほしいな」なんて恋人にお願いする場合なんかを想像してみてください。
- Can you wear the blue jacket tomorrow?
- Can you put on the blue jacket tomorrow?
文法的には両方とも正しいですが、「put on」を使うほうが、わざわざ身に付ける感じがニュアンスとしてよく出ています。
あと、あまりないかもしれないですが、裸の人に向かって「何か着てよ!」と言いたいときも、「put on」のほうがベターです。
- Wear something!
より、
- Put something on!
とするのが一般的ですね。
映画やドラマなんかで、よく裸の男性が登場して、女性が「ギャー」ってなるアレです(笑)
ちなみに、「put ~ on」でも、「put on ~」でも、どちらでもOKです。
「~」にくるものが「it」などの代名詞の場合や、短い単語の場合は「put ~ on」の形になります。
wearとput onの完了形「着たことがある」
「あなたは浴衣を着たことがありますか?」なんて、海外の人に聞いてみたいこともあると思います。
その場合は、現在完了形を使って言ってみましょう。
現在完了形は「have+過去分詞」で表せます。
Have you ever worn a yukata?
「あなたは浴衣を着たことがありますか?」
「着た経験」を聞くのであれば、「wear」のほうが自然です。
「put on」でも意味としては通じますが、ニュアンス的には「着替えたことはありますか?」「身に付ける動作をしたことがありますか?」的な感じになってしまいます。
眼鏡の人に「コンタクトレンズを使ったことはありますか?」と聞くとき、男性の人に「メイクをしたことはありますか?」と聞くときなどにも、
- Have you ever worn ~?
が、使えますよ^^
- Have you ever worn contact lenses?
「コンタクトレンズを使った(入れた)ことはありますか?」
- Have you ever worn a make-up?
「メイクをしたことはありますか?」
といった感じですね。
身につける系のものなら、何でもOKです。
wearとput onの受け身「着せられる」
「子どもがパジャマを着せられている」などと言いたいときには、受け身の形を使うことができます。
おそらく「着せられる」という習慣を話題にするより、「今、着せられているところだ」とその瞬間を言うシチュエーションのほうが多いと思います。
その場合は、「put on」を使って、着せられている最中であることを伝えてあげましょう。
My daughter is being put on a pajama.
「娘はパジャマを着せられているところだ」
受け身は「be動詞+過去分詞」で表せます。
さらに、be動詞を「being」とすることで、受け身の進行形を作ることができます。
進行形にすることで、動作が今行われていることを強調することが可能です。
「着る」と言いたいときのその他の英語
「wear」と「put on」以外にも、以下のような英語表現で「着る」と言うことができます。
- dress
よりフォーマルに固く言いたいときには、「dress」がピッタリです。
日本語で「ドレス」と言えばゴージャスなあのドレスを想像すると思いますが、英語では「着る」という意味の動詞で使われます。
基本的には受け身の形で使うことが多いです。
She is dressed casually.
「彼女はカジュアルな格好をしている」
また、受け身でも使いやすい表現なので、先ほどの「子どもが着せられる」という場面にも応用がききます。
My daughter is dressed in a pajama.
「娘はパジャマ姿だ」
この場合、着せられている瞬間ではなく、着せられた状態のことを言っています。
娘がまだ小さいのであれば、自分で服を着るというより親に着せられている状態だと思うので、こういった表現のほうが合っていますね!
- in ~
「~に身を包んでいる」という意味合いで、「in ~」という言い方もあります。
He looks good in a suit.
「彼はスーツを着ているとカッコよく見える」
文の後ろに、おまけ的な感じでくっつけるのがポイントです。
ふだんとは違う服装をしているときなんかに重宝する表現です。
まとめ
今回は、「着る」と言いたいときに使える英語、「wear」と「put on」について紹介しました。
「wear」と「put on」の違いや、それぞれの使い方なども見ていただきました。
- wear → 「着ている」というイメージで、着用済みの場合や普段から身につける習慣を言う
- put on → 「着る」というイメージで、身につける動作そのものを言う
といった違いでしたね。
「wear」や「put on」は、服以外にも、身体に身に付けるものなら何でも使える表現です。
身に付ける系のことを英語で表現したいときには、これらの表現をうまく使い分けながら、言いたいことを伝えてみてくださいね^^